スペシャルゲスト紹介
トリッキー・ピクシー
大胆に舞台と薄明の花道に向かうトリッキー・ピクシーは、人気の高い異才3人の稀有な融合である。彼ら自身と聴衆とをともに導いていくのは豊かな楽器 --- 弦楽器、歌声、そしてドラムのだいご味を十二分に駆使した演奏法にある。
SJタッカー、アレグサンダー・ジェームス・アダムス、ベッツィー・ティニーは、ケルト・ロックから脳裡に焼き付くブルージーなアカペラ・ナンバー、甘い歌声のサーカスの子守唄、そして賑やかな部族民謡にいたるまで、幅広い音楽の旅に聴衆をいざなう、活き活きとしたエンターティナーたちである。ひとりひとりが卓越した演奏者であるSJ、アレックとベッツイー。このふたりのコラボレーションはさらにパワフルで燃えあがる、魔法のような音楽を織りあげていく。トリッキー・ピクシーのコンサートでは誰もがその魅力にとらえられてしまうのだ。たとえば、船いっぱいの海賊や、ギリシャ神話の踊るサテュロス、森の放浪の民たち、ケルト族の古きベルテ―ン祝祭、そして夜を締めくくるスパイシーなアリゲーター・タンゴ・・・ 彼らはどのようなパフォーマンスにも活き活きとした命を吹き込むだろう。そして、当日何が飛び出すかはそのときまでのお楽しみ、である。
トリッキー・ピクシーの名とその魅力は、瞬く間に口コミやインターネットで広まっていった。広い世界を旅する経験豊かなミュージシャンたち。世界中にいる昔からのファンたちは、彼らのショーを待ち望んでいる。SJタッカーは、2004年からアメリカツアーを続けているし、AJアダムスは北米、欧州と個人でも広くツアー活動を行っている。トリッキー・ピクシーとしての活動は、売り切れ続出、立ち席オンリーのショーを、その結成以来、アメリカ西海岸北西部で定期的に続けている。バラエティーに富む音楽的才能の持ち主たちを迎える「リノベーション」の夜の歓迎会は、彼らにとってもユニークなイベントのひとつとしてとらえられている。
トリッキー・ピクシーの魅力をもっと知りたければ、www.trickypixie.comへ。SJタッカーとアレグサンダー・ジェームス・アダムスには個人のウェブサイトがあり、アドレスはそれぞれwww.sjtucker.comとwww.faerietaleminstrel.com。現在リリースされているグループとしてのアルバムはMythcreantsで、彼らのウェブサイトを通じて購入可能である。
まだトリッキー・ピクシーをよく知らないという人には、Orycon 2008でのグループのインタビューが収められたビデオ --- パシフィック・フェン・スポットライトの厚意による --- がお勧めだ。もしくは、Mythcreants に収められたChickies を聴いてみては?
ビル・ウィリングハム
現世に追放されたおとぎ話のキャラクターが繰り広げる現代版ファンタジー、Fablesで知られるビル・ウィリングハムの最近の作品にはIDWのAngelシリーズ、DC ComicsのJustice Societyシリーズ、Fables散文小説のPeter and Max(Vertigo)、およびガードナー・ドゾワとジョナサン・ストラーン編集のアンソロジー、The New Space Opera 2に含まれる短編小説Fearless Space Pirates of the Outer Ringsなどがある。Vertigoに最初に出版された散文小説はPeter and Maxだった。この他にもウィリングハムはElementalsシリーズ、Ironwoodシリーズ、Coventryシリーズ、Proposition Playerなど、多くの作品を生み出し、出版社ではVertigo/DCとIDW以外にもマーベル・コミック、ファンタグラフィックス、コミコ、およびTSRが彼の作品を出版している。画家としてキャリアを始めたウィリングハムだが、有名なのは小説の方だ。
ビル・ウィリングハムのホームページはこちら
不定期に更新されているブログもある。
同じClockwork Storybook作家の一人で、ウィリングハムの友人でもあるクリス・ロバーソンによる、個人的な紹介は次のとおり。
ビル・ウィリングハム ―クリス・ロバ—ソンによる紹介クリス・ロバーソンは散文小説と漫画であり、(パートナーであるアリソンと共に)MonkeyBrain Booksの出版を手掛けている。Clockwork Storybook作家グループの創設者の一人でもある。本人には言わないでくださいね?ビル・ウィリングハムは僕が知る中で最高の人間だと思います。地球上で一番といっても良いくらいです。 しつこいけど、僕がこう言った事は本人には内緒ですよ。 ビルは褒められるのが苦手なんです。これだけノミネートや受賞作品を出して、何年にもわたり常に批評家の称賛の的となっているんだから、いいかげん慣れるものだと思いますよね。でもビルは全く慣れないようです。 幸いにも彼の友人を自称できる僕らはビルと一緒にいる時、いつも彼をネタに冗談を言い合います。僕らより数歳年上なのをからかってみたり、彼と「締切」という存在との複雑な「関係」について小言を言ってみたり、彼のひどいシャレに呻いたり。でもいったんビルがいなくなると、僕らはいかに彼が才能に満ち溢れているか、いかに親切な友人か、或いは素晴らしい人間か…そんな事ばかり話し合っています。 漫画で生計を立てている人なら誰でも同意するでしょうが、漫画界というのは入りこむのが非常に難しい業界なんです。作家にとってはなおさら難しい。僕がこの業界でキャリアを築けたのは、ひとえにビルが僕のために扉を開け、Vertigoの彼の編集者であるシェリー・ボンドに僕を推薦し続けてくれたからです。これは僕だけではなく、マット・スタージスや他の何人かの作家にも言えることです。ビルはそうした助力は自分自身の興味のためであり、単に自分が僕らにこの道を歩んでほしかっただけだと言っていますが、本当の理由がそれだけだったとは僕にはどうしても思いません。過去に何回も見せてきた彼らしい、惜しみない優しさの一例だと思います。 誤解していただきたくないのは、ビルは単に情にもろいお人よしなわけではないという事です。彼は自分自身のルールに従って生きているんです。それも、なかなか他の人では見られないような方法で。友人には寛容すぎるくらいで、文字通り「無私無欲」ですが、敵対する場合、彼は非常に執念深い敵になるでしょう。まるでハイラインの後期小説に登場するような人間ですね。決断を下すのは早いし、揺らがない。友人を狙う弾丸に対しては自ら盾となり、逆に敵に弾丸を撃ち込むためなら決して尻ごみをしないような(比喩的な話ですよ。…まぁ、多分…)。 性格についてはこれくらいにしておいて、ビルと我々の間で決定的に異なるのは、まさに想像力の豊かさでしょう。私は彼が準備もなしにキーボードの前に座ったかと思ったら、すぐさま新しい話の書き出し、それも天才的なのを書き上げるを見た事があります。(残念なのは、全く同じ「想像力」がその天才的な、既に数千語にもおよぶ小説から彼の興味を引き離し、別の物に移してしまうことです。) ビルの読者の多くは、Elementalsの初期の作品や、Vertigoの受賞作品で今も人気を誇るFablesシリーズ等、彼の漫画作品しか知りません。もちろんこれらの作品は十分称賛に値する物ですが、公平な世の中なら彼の散文小説の才能も同じくらい評価されているはずなんです。僕がビルと仲良くなれたのもこのおかげです。Elementals漫画の一部は何年かにわたり読んだ事はありましたが、作家としてのビルを知るようになったのは彼、マット・スタージス、そしてマーク・フィンとClockwork Storybook作家グループを結成してからでした。毎週、僕らは余人で集まり、新しい散文小説をお互いに読み聞かせ、感想や批判を与えあいました。最初からビルは良いメンバーでしたが、時が経つにつれ、その輝きは増すばかりでした。 僕に言わせれば、ビル・ウィリングハムこそがロジャー・ゼラズニイの遺産を真に受け継ぐ作家です。ゼラズニイはビルが個人的に尊敬する作家でもあり、ビルの小説にはゼラズニイの作品に見るような、日常と魔法の独特なミックスがあります。精神を歪めるようなアイディアが詰め込まれた世界が率直な主人によってな案内され、概念がそもそもの理論的結論まで導かれ(notions taken to their logical conclusion)、そして、更にもう一歩先に行くような。 Fablesの最初の小説であるPeter & Maxが出版され、Down the Mysterly Riverの修正版の出版も間近に控えている今、ビルの小説家としての才能を認識する機会に恵まれる読者は増えるでしょう。漫画版のFablesをまだ読んだ事のない読者にとっては、楽しみはこれからです。 更に、ビル・ウィリングハムに直接会うという幸運に恵まれた人は、いかに彼が素晴らしい人間か、それこそ地球上で最も素晴らしい人間化、を自分の目で確認できる事でしょう。 その時は、僕がこう言った事をくれぐれも言わないでくださいね。 |
受賞歴
- 2003ウィル・アイズナー漫画業界賞最優秀作家ノミネート(「Fables」DC/Vertigo出版)
- 2005ウィル・アイズナー漫画業界賞最優秀作家ノミネート(「Fables」Vertigo/DC出版)
- 2009ウィル・アイズナー漫画業界賞最優秀作家受賞(「Fables」Vertigo/DC出版House of Mysteryシリーズ)
- The Comic Book Databaseのビルのページ(彼の作品の包括的なリストも含む)
- Clockwork Storybookのディスカッション・フォーラム
- The Comics Journalのインタビュー(インタビューは2006に実施)